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第二十二章 午後21時の攻防
いつも通り、ディナーは二人で顔を合わせて食べた、エディンとアルネだ。
しかしアルネは、いつもより口数が多く、エディンの返事はどこかぎこちない。
この後のことを、意識せずにはいられないのだ。
(エディン様は僕のことを、ふしだらな王子だと思っていないかな……)
(アルネは私のことを、来る者は拒まずの尻軽な王子だと思っていないか……?)
どこかギクシャクとした夕食を終えたアルネだが、伝えるべきことはハッキリ言った。
「では、エディン様。21時に、うかがいます」
「うん、待っている」
回廊に出て、二手に分かれたエディンとアルネは、途端に息を吐いていた。
「き、緊張したなぁ……」
「背中に汗をかいてしまった……」
それぞれで、こんなことをつぶやいた後、自室に戻りまた湯浴みをした。
夕刻に体は清めているのに、念入りに磨き上げた。
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