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21時。
落ち着かないエディンの耳に、静かにドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ。鍵は開いている」
金銀に飾られた、美しい客室のドア。
しかし、そこを開いて現れたアルネは、もっと美しかった。
薄衣の姿で、素足にスリッパを履いている。
これ以上ない軽装で、彼はエディンを訪ねてきた。
「お、お待たせしました」
「い、いや。時刻通りだ」
互いを意識して、つい言葉が硬くなる。
エディンは、アルネの意思の最終確認に入った。
ただ、いきなりセクシャルな話題を振ると、さらに気まずくなる。
(まずは、弓隊による先制攻撃を軽く……)
そう考えて、彼をお茶に誘ってみた。
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