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「紅茶はどうだ? 体が温まる」 「お湯を使ってきたので、大丈夫です」 (弓隊の攻撃が効かない!) 「……では、酒を用意しようか」 「僕の国では、18歳はまだ飲酒ができません」 (槍隊の攻撃も効かない!)  言葉に詰まってしまったエディンに、今度はアルネが話しかけた。 「エディン様のお部屋には、護衛がおりませんね」 「ああ。私ならば、賊が現れても返り討ちにできる」 「……従者も、見当たりませんが」 「身の回りのことなら、自分でできるからな」  だからその分、負傷者の看護などに当たるよう、申し付けた。  そんな返事に、アルネは肩をすくめた。 「そうですね。僕ったら、元気なのに従者を頼りにしちゃうなんて」 「す、すまない。そんなつもりで言ったのではない……」  沈黙が流れ、エディンが何を話そうかと考えた隙に、アルネがそっとその腕に触れた。

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