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「私はこれまで、幾多の命を奪った罪深い男だ。この手は、血で真っ赤に染まっている」
そんな汚れた人間に、抱かれてもいいのか?
「その罪は、僕も一緒に背負い、償いたいと思うのです」
アルネの即答に、エディンは胸が熱くなった。
「もうひとつ。なぜ、私を選んだ?」
「僕はあなたが、好きなんです……恋を、しているんです」
「恋?」
愛と同じく、また不可解な言葉だ。
考えこもうとしたエディンを呼び覚ましたのは、アルネの優しい仕草。
彼の顔に頬を寄せ、温めてくれたのだ。
初めて味わう甘い愛撫に、エディンはもう言葉など要らないのだと悟った。
「今夜は私をエディン様、ではなく、エディン、と呼んで欲しい」
「……エディン」
そして二人は、唇を合わせた。
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