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第二十六章 恋人よ
『私はいつでも、アルネの傍にいる。そして、命を賭して君を守り続ける』
熱い想いに満ちたエディンの言葉は、アルネの瞳に涙を浮かべさせた。
それと同時に、ある呪文が唇からこぼれ落ちた。
「フェリックス・エディン・ラヴィゲール……」
吐息かと思うほどの、小さなささやきだったが、エディンの耳は聞き逃さなかった。
「呼んだか?」
「あ、いいえ。つい、唱えてしまいました」
「唱える? まるで呪文のような言い方だな」
「呪文……そう、呪文なんです。エディン様のお名前は、僕の大切なおまじないです」
アルネは、初めて彼の名を知った時のことを、語った。
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