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「アルネは、ずいぶんとラクダが気に入ったようだな」
自由時間に食事を摂ることも忘れ、アルネはラクダに興味津々だ。
エディンは、そんなアルネに色々と知識を披露した。
ラクダの鼻は、砂を吸い込まないよう閉じることができる。
ラクダの足は、砂に埋もれないよう広く大きくなっている。
「そして、このコブの中には脂肪が詰まっている」
「脂肪、ですか」
「そうだ。もし砂漠で食料が尽きれば、このラクダのコブを食べる」
「えっ!?」
そんなのダメです、とアルネはエディンをポカポカ殴った。
「旅のパートナーを殺して食べちゃうなんて! 絶対に、いけません!」
「解った、解ったから! もしも、の話だ。絶対に食う、とは言っていない!」
まるで漫才だ、とロビーは彼らの様子を見て大笑いした。
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