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「万が一の為に、これをアルネにあげよう」
エディンはそう言うと、腰から剣を外した。
グリップが短い、片手で振るうタイプのブロードソードだ。
手渡されるままアルネが持つと、それは意外に軽く、力の弱い彼でも自由に扱えそうな剣だった。
しかし、鞘には凝った装飾が施され、グリップには煌めく宝石が埋め込まれている。
「エディン様。これって、もしかして……」
「ネイトステフ王族に伝わる、破邪の剣だ」
「そ、そんな大切なもの、受け取れません!」
「い、いや、いいんだ! まだ、たくさんあるから!」
それより、一度振るってみて欲しい、とエディンはアルネにうながした。
「見張りが終わったら、お返ししますからね!」
「贈り物だから、持っていて欲しいのだがな……」
ぶつぶついいながらも、アルネは鞘から剣を抜いた。
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