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第三十章 突然の夜襲
「おい、いい加減にしろ。明日も早いぞ!」
「はぁい、解りましたぁ!」
「お片付けぇ~」
酒宴は遅くまで続き、酔い潰れてそこらで眠ってしまう者までいる。
「ちゃんと、テントで眠れ。凍えるぞ!」
「うぅ、むにゃむにゃ……」
揺さぶっても起きない部下を、エディンは抱えてテントに放り込み、毛布を掛けた。
「まったく!」
ちょっと目を離しただけで、この有様だ。
順調に進めば、あと4日ほどでオアシスの町に着く、という気の緩みがあったのだろう。
軍人も商人も、みんな飲んだくれてしまった。
「まともな意識があるのは、私だけなのか?」
呆れるエディンに、声を掛けた者がいる。
「旦那、俺も無事ですぜ」
それは、鍛冶屋のロビーだった。
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