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「親父さんが正気とは、心強い」
「早いうちに、酔って寝たふりをしてまして、ね」
ニヤリと笑ったロビーだが、次には顔を引き締めた。
「さすがに全員が酔っぱらっちまっては、物騒ですからな」
「頼りになるな。さすが、ガイドたちをまとめるだけはある」
「ありがとうございます。感謝は後ほど、形にしてくださると嬉しいですな!」
「金貨一枚、上乗せしよう」
笑い合った後、二人は見張りをしているアルネの元へと向かった。
ほんの300歩程度離れたところだが、岩陰になっているので姿が見えない。
エディンもロビーも、彼のことを心配していた。
幸いアルネは背筋を伸ばして立っており、立派に責務を果たしている。
「アルネ、ご苦労様だな。交代しよう」
「よく頑張りなすった、アルネ坊ちゃん!」
気軽な声を掛けた二人だったが、振り向いたアルネは深刻な表情をしていた。
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