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「エディン様。それに、ロビーおじさん」 「どうした? 何かあったのか?」  眉根を寄せているアルネに、エディンは問いかけた。  すると彼は腕を伸ばして、やや東寄りの暗闇を指さした。 「あっちで、何か光った気がして」 「どんな光だった?」 「小さく、ピカッと。それが、数回見られま……」 「伏せろ!」  アルネがそう答え終わることを待たずに、エディンは彼を抱きしめ、姿勢を低くした。  ロビーも、すかさず腹這いになって剣を抜いた。 「え、エディン様?」 「盗賊だ。光ったのは、奴らの剣だ!」  すぐにラクダの走る地鳴りが響き、矢が次々と放たれてきた。 「親父さん、テントの連中を叩き起こして来てくれ!」 「おう! 坊ちゃんを、頼んだぜ!」  ロビーが低い姿勢のままその場を離れると、間一髪で彼がいた場所に矢が刺さった。  それを間近に見たアルネは、初めての戦場に震えた。

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