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「アルネ、しばらくは動くな。私の陰で、じっとしていろ」 「エディン様……」  動きたくても、動けない。  アルネは、身をすくめてしまっていた。  しかし、その恐怖の呪縛はすぐに解けた。  彼の体に、何度も衝撃が伝わって来たのだ。 「エディン様! まさか……!」 「大丈夫だ。鎖帷子を着込んでいるから、矢は体を傷つけてはいない」  すっぽりとアルネを包んだエディンの背に、腕に、足に、盗賊の矢が刺さっているのだ。  彼が被弾した衝撃が、アルネにも伝わっていたのだ。

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