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第三十一章 砂漠の戦い
甘く低い声で、エディンは歌う。
春に咲く花、観に行こう。
あなたと一緒に、観に行こう。
ケーキを持って、紅茶を持って、あなたと一緒にピクニック……。
いつしかアルネも、エディンと共に歌を口ずさんでいた。
エディンのマントに、大きな体に守られ、優しい歌を歌うことで、彼の心は冷静さを取り戻した。
「アルネ、いいか?」
「はい」
「これから私が、立ち上がる。できるだけ陰に隠れて、剣を抜いてくれ」
「解りました」
「合図をしたら、剣を振るうんだ。いいな?」
「はい!」
ついに、盗賊団との戦いが始まった。
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