153 / 372

3

「面白い男だ。エレニ砂漠で最強の盗賊団『赤の鷲』の名を知らんのかぁ!?」  じりじりと近づいてくる首領に、エディンはマントを少し揺らして応えた。 「そちらこそ、ネイトステフの竜将『フェリックス・エディン・ラヴィゲール』の名を知らんのか!?」  エディンの陰に隠れているアルネは、気が付いた。 (あのお名前、エディン様の名を聞くと、勇気が湧いてくる……!)  エディンの名乗りに、首領はピンと来なかったようだが、その手下たちは目に見えてうろたえ始めた。 「りゅ、竜将!?」 「ネイトステフの、フェリックス王子か!?」  動揺する手下たちに、盗賊の首領は不機嫌になった。

ともだちにシェアしよう!