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「エディン様、がんばって!」  アルネの声援はありがたいが、今の竜将にはそれが心配の種になっていた。 (もし私がここで敗北したら、アルネは……!)  エディンが負ければ、美しいアルネは首領の情夫になるか、高値で売り飛ばされるか。  そんな闇の未来しか、待っていないだろう。  絶対に負けられない使命感が、エディンの胸には強くあった。  本気を出した首領が、左へ右へと剣を振るう。  エディンはそれらを紙一重でかわしながら、長剣を閃かせていた。  時には両者の剣が交わり、火花が散る。  盗賊団も、エディンの部隊も、みな固唾を飲んで戦いを見守っていた。

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