159 / 372
4
「妙だな」
「どうしたんですか、ロビーおじさん」
「竜将の旦那、何か企んでるようだぜ?」
「えっ?」
首領と切り結ぶエディンは、時には絶対に有利な場面を作る、とロビーはアルネに語った。
「バッサリと首を刎ねちまうには絶好のチャンスを、旦那はわざと逃してる」
「エディン様は、苦戦してるんですか!?」
「いや、そうじゃない。どちらかというと、押してるんだがな」
そんな話をする間にも、両者は激しく切り結んでいる。
しかし、次第に首領の息が切れてきた。
一方で、エディンは余裕の態度を崩さない。
とうとう腕が止まってしまった男に、エディンは言い渡した。
「次の一撃で、お前の全てが終わるだろう」
それはまさに、死の宣告。
アルネは思わず、瞼を閉じて下を向いてしまった。
(あぁ! エディン様の手が、また血で染まってしまう……!)
アルネにとっても、重い宣告だった。
ともだちにシェアしよう!

