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「妙だな」 「どうしたんですか、ロビーおじさん」 「竜将の旦那、何か企んでるようだぜ?」 「えっ?」  首領と切り結ぶエディンは、時には絶対に有利な場面を作る、とロビーはアルネに語った。 「バッサリと首を刎ねちまうには絶好のチャンスを、旦那はわざと逃してる」 「エディン様は、苦戦してるんですか!?」 「いや、そうじゃない。どちらかというと、押してるんだがな」  そんな話をする間にも、両者は激しく切り結んでいる。  しかし、次第に首領の息が切れてきた。  一方で、エディンは余裕の態度を崩さない。  とうとう腕が止まってしまった男に、エディンは言い渡した。 「次の一撃で、お前の全てが終わるだろう」  それはまさに、死の宣告。  アルネは思わず、瞼を閉じて下を向いてしまった。 (あぁ! エディン様の手が、また血で染まってしまう……!)  アルネにとっても、重い宣告だった。

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