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明けた朝、バシリキを始め新しく加わった仲間たちは、まさに目覚ましい働きを見せた。
「早く起きろ! 砂漠は、すぐに暑くなるぞ! 今のうちに、せっせと移動するんだよ!」
「馬鹿野郎! 水を粗末にするんじゃねえ!」
「朝飯前に、ラクダの体調を見てあげなきゃ!」
これまで砂漠で生き抜いてきた者だからこその、鋭い指摘ばかりだ。
そのテキパキとした働きに、ロビーとエディンは驚き喜んだ。
「これは心強い味方ですなぁ」
「おかげで、士気が上がりそうだ」
そんな二人に、アルネと共にバシリキが声を掛けてきた。
「竜将親分。聞いたところ、この経路でダマビアへ向かうそうだな?」
アルネの手には、開いた地図がある。
バシリキは、地図を指先でなぞって見せた。
「こっちより、北側をこう行った方が近道ですぜ」
彼の言葉に、エディンは疑問を抱いた。
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