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胸を張り、自信満々のバシリキだが、エディンは素朴な疑問を投げかけた。
「北側のルートは落石があって、巨大な岩に塞がれたと聞いたが」
「それは、こないだまでの話。つい最近その大岩が割れて、真ん中に道が通ったのさ」
「そこを通れば、かなりの時短になるな」
「ものの一週間で、ダマビアに到着だぜ」
よし、とエディンは青空を見上げた。
「一週間と言わず、一刻も早くダマビアへ!」
「そう来なくっちゃ!」
バシリキとロビーは、張り切って部隊を急がせに駆けていった。
残されたアルネは、エディンの手を取った。
「エディン様、ありがとうございます!」
「早くアルネの母上の痛みを、和らげてあげなくては、な」
「はい!」
「それはそうと……」
「はい?」
凛々しく空など見上げていたエディンが、急にもじもじし始めた。
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