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「悪魔とか、化け物とか。ダマビアは、恐れられているのですね」
しかし、とアルネは考えた。
(エディン様は、希望の国、と呼んでらっしゃる)
「そろそろ真実を、教えてください。エディン様」
「それは、アルネが自分自身で見聞きして、判断してくれ」
「また、そういう返事をするんだから、もう!」
焦らすように、ダマビアについては教えてくれない、エディンだ。
笑いを残し、再び隊列の先頭に行ってしまう彼の背中を、アルネは見ていた。
「僕自身で判断、か」
エディンがこれほど言うからには、やはりダマビアには何か秘密が隠されているようだ。
「悪魔、化け物、そして希望……」
考えても、全く解らない。
アルネは、意地悪なエディンを思い、唇を尖らせた。
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