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 突然に現れた、一つ目の化け物。  バシリキはすぐに剣を抜き、ロビーは槍を構えた。  和やかだった場に、緊張が走る。  しかしアルネは、化け物を庇うように前へ立ち塞がった。 「待って! まだ子どもです!」 「大きくなる前に、退治するんだよ!」 「アルネ坊ちゃん、危ない! そこから離れな!」  一つ目の子どもは、母親の元へたどり着く前に、転んでしまった。 「だ、大丈夫かい?」  アルネは思わず声を掛け、手を差し伸べた。  子どもがその手を取ろうと腕を伸ばした時、アルネは息を飲んだ。 (指が、2本しかない!?)  さすがに怖くなって、差し伸べた手を退きたくなったアルネだ。  しかし、その子は幼い小さな手を、必死に伸ばしてきた。

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