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「指は、みんな基本的には二本です。ごく稀に、三本の人もいるのですけど」
「一体なぜだぁ? どうしてダマビア人は、そんな重荷を背負って生まれるんだ?」
遠慮のない大声を出した後、バシリキはまた手で口を覆った。
「す、すまねえな。無理には、言わなくてもいいぜ」
「いいえ。フェリックス様のご友人でしたら、包み隠さずお話ししましょう」
きっと、解ってくださると思いますから。
そう答えたソフィアは、もう怯えてはいない。
ダマビア人の代表として、この国の歴史を語り始めた。
「その昔、医療大国として栄えていたダマビアは、様々な薬を開発していました」
そして、人類の究極の願いである、不老不死に挑み始めたという。
「さすがに不死は無理がありましたが、不老の薬に近いものはできたのです」
「本当ですか!? すごい科学ですね!」
素直に感激するアルネだが、ソフィアはそっと首を横に振った。
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