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「当初は、老いに伴う体の故障を和らげるために、処方されていたのです」
目がかすむ、耳が遠くなる、腰が曲がらない、膝が痛い。
こういった老化現象にのみ、許された投薬だった。
だがしかし。
「国民は次第に、若いうちからその薬を飲み始めました。いつまでも若く美しくありたい、と願って」
「それは確かに、みんなそう思うだろうなぁ」
一番年配のロビーが、うなずいた。
彼もそろそろ、腕が思うように上がらない日が増えてきたのだ。
「でも。そんな自然に逆らったことは、星々の神がお許しにならなかったのです」
不老の薬を常飲し始めて、ダマビア人は謎の痛みを覚えるようになった。
体を鋭く走る、激痛だ。
重症化すると、一日中痛くて動けない。
「そこで、優れた鎮痛薬・モルフェが大量に出回るようになりました」
その言葉に、アルネが反応した。
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