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「僕は、そのモルフェが欲しくて、ここを訪れたんです!」
「では、用法・用量を必ず守ってくださいね。でないと依存症になり、強い陶酔感から抜け出せなくなります」
は、とアルネは思い当たった。
「それで、モルフェは麻薬として外国へまで輸出されていたんですね」
「そうです。だからアルネ様の国・テミスアーリンは、このダマビアを攻撃したのです」
悪魔の薬で金儲けをする、悪魔の国・ダマビア。
テミスアーリン政府は、自国の民衆までもが、この麻薬の依存症になっていく事態を憂えた。
薬の対価として、金や銀がどんどん流出していく事態を恐れた。
「当時のダマビア政府は、モルフェを異国に売買することを、禁じていたそうです。しかし一部の商人が、闇取引を続けてしまって……」
「そして、僕の国が。テミスアーリンが、ダマビアを相手に戦争を……」
ソフィアとアルネは、自然と視線を合わせていた。
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