187 / 372

2

「ダマビアとテミスアーリンが、戦をやらかした理由は、解った!」  寂し気なソフィアを、少しでも元気づけようと、バシリキが大声を上げた。  あまりに突然だったので、彼女だけでなく、その場の全員が驚いたが。 「だけどよぅ、あの、その、何だ。ソフィアさんたちの目ん玉が、一個の理由を聞いても、いいかい?」  あのバシリキが、言いにくそうに訊ねたのだ。 (無神経なバシリキが、ソフィア『さん』だと!?) (バシリキさんが、ソフィアさんに気を遣ってる!?) (無骨なだけの男では、なかったようだな)  彼の思いやりを汲んだのか、ソフィアはうなずいて語った。 「不老の薬を、そしてモルフェを飲み続けた結果、ダマビアには異形の子孫が生まれるようになったのです」  異形の子孫。  つまりは、目の前にいるソフィアとルキアのような容姿を持つ、人間だろう。  アルネたちは、出されたレモン水を飲むことも忘れて、ソフィアの話に聞き入った。

ともだちにシェアしよう!