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「ダマビアとテミスアーリンが、戦をやらかした理由は、解った!」
寂し気なソフィアを、少しでも元気づけようと、バシリキが大声を上げた。
あまりに突然だったので、彼女だけでなく、その場の全員が驚いたが。
「だけどよぅ、あの、その、何だ。ソフィアさんたちの目ん玉が、一個の理由を聞いても、いいかい?」
あのバシリキが、言いにくそうに訊ねたのだ。
(無神経なバシリキが、ソフィア『さん』だと!?)
(バシリキさんが、ソフィアさんに気を遣ってる!?)
(無骨なだけの男では、なかったようだな)
彼の思いやりを汲んだのか、ソフィアはうなずいて語った。
「不老の薬を、そしてモルフェを飲み続けた結果、ダマビアには異形の子孫が生まれるようになったのです」
異形の子孫。
つまりは、目の前にいるソフィアとルキアのような容姿を持つ、人間だろう。
アルネたちは、出されたレモン水を飲むことも忘れて、ソフィアの話に聞き入った。
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