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 場は静まり返ってしまったが、エディンの低音が優しく響いた。 「ネイトステフ王国は、ダマビアに助けてもらっているぞ、ソフィア」 「フェリックス様」 「国境を護る私の領地では、戦いの前線に兵士を送る。そしてそのたびに、負傷者が出る」  腕を、足を失う者。  耳をそがれ、目を潰される者。 「そういった人間は、国へ帰っても差別を受けて、暮らしづらいんだ」  そんな部下たちを救うため、エディンの曽祖父の代から、ダマビアへの移住が始まったのだ。 「ダマビア人は、体に損傷を持つ人間でも、快く受け入れてくれるからな」 「そうだったんですね……」  アルネは、ようやく知った。  ダマビアの壮大な歴史、深い悲しみ、そしてダマビア人が得た広い心。  様々な辛苦を経て、この国は再び歩み始めたのだ。  不慮の事故や戦いで、体や心に傷を負った人々と、手を取り合って生きる新しい道を。 「だからダマビアは『希望の国』なんですね、エディン様!」  エディンは、黙ってうなずいた。  その顔は、満足げに微笑んでいた。

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