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 過酷な状況から解き放たれると、人は開放感を覚えるものだ。 (実際、私の部下たちも、はしゃいでいたわけだし)  エディンは、まるで子どものようだった彼らを、思い返した。 「しかし、だからといってアルネまで……」 「ん、もぅ。口がお留守です、エディン様」  ここは、エディンの部屋。  昼間の言葉通り、アルネは夜に忍んできた。  そして、会話もそこそこに、情熱的なキスを誘って来たのだ。 「アルネの心も、開放感に浸って……」 「だから! キスに集中してください、ってば!」  灼熱の砂漠は、アルネを少し強くしたようだ。  エディンは、肩をすくめてしまった。 (また、アルネに叱られた……!)  しかし、久々のキスはたまらなく心地いい。  エディンは彼の言うように、甘い営みに集中することにした。

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