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第四十章 火めく二人
(そういえば私は、こうして誰かに甘えた記憶がないな……)
アルネの胸に顔をうずめ、髪を撫でてもらいながら、エディンはそんな風に考えていた。
このまま寝入ってしまえば、どんなに安らかなことだろう。
(しかしそれでは、身を火照らせているアルネが、可哀想だ)
エディンは初めて、肌を合わせる相手を思いやった。
相手がアルネだからこその、思いやりだ。
千人斬りの竜将、とは何も戦地だけでの通り名ではない。
これまでベッドを共にした人間の数も、それくらいはある、と言われていた。
英雄色を好む、と囁かれていた。
(おや、こんなところに、可愛らしい桜色の果実があるじゃないか)
エディンは舌を伸ばすと、アルネの小さな乳首を掘り起こした。
「あっ! はぁ、あぁ……ぅんッ!」
静かな室内に、アルネの甘い声が響いた。
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