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 パウロスによると、アルネがモルフェを求めてエディンと共に旅立った、すぐ後のことらしい。  カテリーナは、息子のハルパロスと共に、テミスアーリンへ帰って来た。  そして。 『仮王もアミエラ妃も、負傷なさって動けない。では、この私が為政者となるしかございませんわね!』 「……と、まぁ、こんな調子で」 「そんな、勝手な!」  歯噛みするアルネの肩に、心地よい重みの手が乗せられた。  エディンだ。 「アルネ。気持ちは解るが、今は一刻も早く母上の元へ」 「……そうでした!」  パウロスに別れを告げ、アルネは馬を用意させて、北の離宮へと急いだ。  彼に付き従うのは、もちろんエディン。  そして、ダマビアからの親善大使という名目でついて来た、ソフィアの息子・オアニアだった。

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