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 立ち上がり、すばやく身支度を整え始めたエディンに、オアニアは慌てた。 「フェリックス殿下、作戦はどうするのさ!?」 「私が、巧いこと言いくるめよう。失敗したら、フォローを頼む!」 「それって、作戦って呼べるかなぁ!?」 「出たとこ勝負、ですよね……」  オアニアとアルネは不安だったが、支度を整えたエディンを見て歓声を上げた。  セレモニー用のきらびやかな軍服に、純白のマント。  胸には宝石をあしらった勲章を飾り、磨き上げた軍靴を履いている。  そして愛用の長剣を手にしたエディンは、うっとりするほど男前だったのだ。 「フェリックス殿下、イケてるぅ!」 「エディン様、カッコいいです!」  だが、そんな褒め言葉にも、エディン自身は少々面倒くさげだ。 「私は、勲章など身に付けたくはないのだがな……」  カテリーナ攻略の一歩を踏み出すために、彼は精一杯おしゃれをし、少年二人と共に歩き始めた。

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