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「一体、どちらの御意見を採用すればいい?」 「両者とも、ごもっともではあるが……」 「私は、仮王陛下を推す。内戦の混乱を共に闘い、王国軍を勝利に導いたのは陛下ですぞ!」 「私は、カテリーナ妃を推す。恐れ多くも、亡き国王陛下の正妻でいらっしゃいますぞ!」  さらにカテリーナには、国王との間に設けた息子・ハルパロスがいる。  クーデターが起きなければ、跡継ぎの第一候補になっていた息子だ。 「しかしながら仮王陛下も、亡き国王陛下の血を引く、れっきとした王子です!」 「先にお生まれになったのは、ハルパロス殿下だ!」 「年下でも、仮王陛下の方が王の器を持っておられる!」  こんな具合に、世継ぎの件でも揉めているのだ。  臣下までもが分断の危機にあることを、エディンは知っていた。  彼も一応、外国であるネイトステフの人間だ。  城内はもちろん、市中にもスパイ網を張り巡らせて、テミスアーリンの動向をうかがっていた。

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