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「仮王陛下、何か言い残すことは!?」
「次の玉座に座る御方は!?」
「カテリーナ妃でございますか!?」
「ハルパロス殿下でございますか!?」
彼らの焦る気持ちは解らないでもないが、あまりの物言いに、エディンは低く唸った。
「貴殿ら、時と場をわきまえろ。アミエラ妃とアルネ殿下に対する、思いやりは無いのか」
低いが、凄味のある声色だ。
重臣たちは、心臓を掴まれたような心地になった。
彼らの言い訳を遮るように、オアニアが大きくドアを開けた。
「ここは、身内だけにしてあげようよ。外野が騒いじゃ、可哀想だ」
これも、静かだが強い響きの声だった。
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