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オアニアの気持ちを察して、まず医師や薬師たちが退室した。
これまで手を尽くしたが、もう仮王にしてあげられることは残っていないのだ。
そんな医療従事者たちを見て、重臣たちも病室を後にした。
残ったのは、アルネとアミエラ。
そして、エディンとオアニアだけだった。
「陛下、リラックスして。体の力を抜いて、ゆっくりと息をして」
死にゆく者に対して、まるで治療のようなことを言うオアニアを、アルネは不思議に感じた。
そして兄も、彼の言うように呼吸を整え、静かに瞼を閉じたのだ。
さらに、そのままの姿勢で、アルネに告白を始めた。
「アルネ、そして母上。どうか、悲しまないで。私はこれより、仮死状態に入ります」
「えっ!?」
アルネとアミエラだけでなく、これにはエディンも驚いていた。
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