243 / 372

3

 オアニアの気持ちを察して、まず医師や薬師たちが退室した。  これまで手を尽くしたが、もう仮王にしてあげられることは残っていないのだ。  そんな医療従事者たちを見て、重臣たちも病室を後にした。  残ったのは、アルネとアミエラ。  そして、エディンとオアニアだけだった。 「陛下、リラックスして。体の力を抜いて、ゆっくりと息をして」  死にゆく者に対して、まるで治療のようなことを言うオアニアを、アルネは不思議に感じた。  そして兄も、彼の言うように呼吸を整え、静かに瞼を閉じたのだ。  さらに、そのままの姿勢で、アルネに告白を始めた。 「アルネ、そして母上。どうか、悲しまないで。私はこれより、仮死状態に入ります」 「えっ!?」  アルネとアミエラだけでなく、これにはエディンも驚いていた。

ともだちにシェアしよう!