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第五十章 バシリキからの便り
『仮王陛下は、健康を取り戻されるまで、いっさいの公務からお離れになる』
この発表に、城下街は揺れていた。
カテリーナ妃が、政治の実権を握るのか。
そして、税がさらに重くなるのか。
人々は、不安をささやき合っていた。
そんな中を、アルネは鍛冶屋のロビーを訪ねて、城外へ出ていた。
「ロビーおじさん、お久しぶりです」
「おお、アルネ坊ちゃん!」
元気にしてかぃ、ではなく、彼はまず、アルネへ労わりの言葉を掛けた。
「陛下は、お気の毒だな。アルネ坊ちゃんも心配だろうが、ここは踏ん張ってな!」
「はい、ありがとうございます」
騒々しい仕事場では話ができない、とロビーは休憩所へとアルネを案内した。
その後ろを歩くのは、エディンだ。
護衛として、彼もアルネと一緒に街へと出ていた。
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