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『私は……誰も愛さないし、誰からの愛も期待しない!』
『期待は、必ず裏切りと落胆を呼んでくるから、な……』
こんな風に、意固地になっていたエディンの心を、アルネは太陽のように照らした。
「温かく、優しい日差しで、凍てついた心を溶かしてくれたのだ」
アルネの笑顔を思い浮かべると、幸せな気持ちになる。
エディンは、改めて自覚した。
「フェリックス・エディン・ラヴィゲールは、アルネ・エドゥアルド・クラルを心から愛している……!」
顔を上げたところで、ドアがノックされた。
「アルネか? 今夜は会えないはずだったが」
予定変更なら、大歓迎だ。
エディンはそのままの姿勢で、どうぞと返答した。
だが、残念な展開が彼を待っていたのだ。
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