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「こんばんは、フェリックス殿下。ちょっと、よろしいかしら?」
「か、カテリーナ王妃!?」
香水をぷんぷん漂わせ、カテリーナが部屋へ入って来たのだ。
「ごきげんいかが?」
「夜分遅くに、どうなさいましたか?」
(たった今、ごきげんは悪くなりましたよ!)
彼女を見た瞬間に、そう思ってしまったエディンだが、彼も大人だ。
少しも、そんな表情は見せなかった。
そんなエディンの言葉を好意と受け取り、カテリーナは部屋の奥へと入り込んで来た。
彼の間近へと、やって来た。
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