254 / 372

4

「こんばんは、フェリックス殿下。ちょっと、よろしいかしら?」 「か、カテリーナ王妃!?」  香水をぷんぷん漂わせ、カテリーナが部屋へ入って来たのだ。 「ごきげんいかが?」 「夜分遅くに、どうなさいましたか?」 (たった今、ごきげんは悪くなりましたよ!)  彼女を見た瞬間に、そう思ってしまったエディンだが、彼も大人だ。  少しも、そんな表情は見せなかった。  そんなエディンの言葉を好意と受け取り、カテリーナは部屋の奥へと入り込んで来た。  彼の間近へと、やって来た。

ともだちにシェアしよう!