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 カテリーナのナイトドレスは、ほとんど寝着に近いほど薄い生地で縫われていた。  しかも、胸元が大きく開いており、豊かなバストが強調されている。  さらに、フロントスリットなので、動くたびに膝上まで脚がチラつく。  その華やかな色香に、エディンは……。 (……呆れた)  呆れた御方だ、カテリーナ妃!  エディンは、いや、エディンでなくても、誰もがその下心を読める。  彼女は、誘いをかけているのだ。  一夜のひとときを、二人で甘く過ごそうと。  無駄なことを、とエディンは思ったが、カテリーナはそう考えていない。 (この私の誘惑に乗らなかった者など、過去一人としておりませんのよ?)  自信満々の表情で、わざとらしくエディンにすり寄ってくる。 「まぁ……剣を磨いておいでだったの?」 「まぁ……そういったところです」  エディンとカテリーナ、二人の駆け引きが始まった。

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