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第五十二章 千人斬りとの訣別
ダマビアから帰り、鍛冶屋のロビーに鍛え直してもらったばかりの、長剣。
そこに映る姿は、エディンとカテリーナ。
そして二人は、夜の駆け引きを始めた。
「素晴らしい剣ですわね。惚れ惚れしますわ」
「おや。貴女様 は、武器に興味があられますか」
「そうね……殿方は、自分にふさわしい得物を持つ、といいますし」
「なるほど」
そこでカテリーナは、艶然と微笑んで見せた。
「さぞや多くの人間を、仕留めて来られたのでしょ?」
「まぁ、それなりには」
「人呼んで『千人斬りの竜将』ですものね」
それを聞いて、エディンは心の中で舌打ちをした。
思った通り、嫌な方向へと話が展開し出したのだ。
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