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カテリーナは、エディンの肩にしな垂れかかった。
そして、王妃という高貴な地位にありながら、下世話な言葉を口にした。
「その長剣と同様に、エディン殿下ご自身の持ち物も、ご立派ですわよねぇ?」
「……」
エディンの沈黙に、カテリーナはニヤリと笑った。
(照れているのかしら? 意外にピュアなところがあるのね、竜将殿下も)
しかしエディンは、白々しく返した。
「男は時として分不相応な品を持ち、その卑小さを埋め合わせるものですよ」
「……」
今度は、カテリーナが沈黙する番だ。
(こ、こう言えば男は気を良くして、私の誘いに乗るはずなのに!?)
『では、試してみられますか?』
『その目で、お確かめください』
過去に関係した男ども同様に、エディンもまた、こんなセリフを吐くと思っていたのだ。
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