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当てが外れたカテリーナは、諦めるどころか、さらに大胆に迫って来た。
「今宵は、少し暖かくなりましたわ」
「春が、近づいているのでしょう」
「ふぅ、暑いわ……」
甘い吐息と共に、カテリーナは大きく開いた胸元を、指先でさらに下げた。
豊かな胸のふくらみを惜しげも無く晒し、エディンの体に押し付けた。
(うふふ、どうかしら? 私の色仕掛けも、なかなかのものでしょう?)
(それにしても、臭うな。香水のつけ過ぎだ。カテリーナ妃は、鼻が悪いのか?)
密着作戦に出たカテリーナだが、エディンはそのボディより臭いの方を気にしていた。
彼女の重みをやっかいに感じながら、ゆっくりと立ち上がった。
「確かに、暑いですね。窓を少し開けましょう」
すたすたと離れてしまうエディンに、カテリーナは腹が立ってきた。
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