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「秘密の関係、ではいかが?」 「私は、身も心もその御方に捧げているのです」 「だから、それで良いのよ。身も心も捧げていても」  私との逢瀬は、また別物。  深入りしない、セカンドパートナー。 「貴方も、今までそうなさって来たのでしょ? 千人斬りさん」 「確かに、過去の私はそうでした」  エディンは、今度は沈黙しなかった。  素直に心の底から生まれる言の葉を、口にした。 「命を賭して、愛する人なのです。この命、私は一つしか持ちません」  その、たった一つの命を惜しげなく差し出せるほどに、愛している。  そう言いながら、エディンは自分の気持ちを確かめていた。  アルネへの想いを、誓っていた。

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