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ハルパロスはアルネより年上で、しかも王位継承権が第一位だ。
しかしアルネは、そんな彼をたしなめた。
「殿下、そのようなお言葉は、つつしんでください」
「ぅん? どの言葉かな? 発情? そうだよね、発情、だね」
「で、殿下……!」
「アルネ殿下はオメガ性だから、もう発情期を迎えてもいい頃だ」
「僕は、その。そういう話題は……苦手です」
そこでアルネは、軽いめまいを感じた。
媚薬が、効き始めたのだ。
「そんな、恥ずかしいお話しは、その……」
(おかしいな、体が熱い。頭が、くらくらする)
頬を染め、瞳が濡れてきたアルネの様子に、ハルパロスは喜んだ。
(やったぞ、成功だ!)
後は、既成事実を作るのみ。
ハルパロスは、体から力が抜けて動きが鈍いアルネを、抱き寄せた。
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