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「どうしたのかな? アルネは、物欲しそうなご様子だね」 「僕は……僕は……」 「キスしても、いいかい?」 「ハルパロス……殿下……?」  いや、違う。  アルネの目には、彼が愛しいエディンに見えていた。  ふ、とアルネの表情が緩み、笑顔になった。  そこを見定め、ハルパロスは彼をさらに近くまで抱き寄せた。  周囲の使用人たちが、息を詰めて見ている。  はらはらと、見守っている。 (アルネ殿下、一体どうなさったのですか!?) (殿下、お気を確かに!)  しかし、見たところ主人に嫌がる様子が無いのだ。  しかも、相手がハルパロス殿下なのだ。  身分の高い者同士の行為には、口出しできないもどかしさが、侍従たちにはあった。

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