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「アルネ殿下が、ハルパロス殿下の手によって毒を盛られたと聞いて、参上いたしました!」
「殿下。それは事実ですか? 犯行を、お認めになられますか!?」
まるで犯罪者のような扱いに、ハルパロスは逆ギレした。
「毒といっても、他愛ない媚薬だ! アルネを殺めようとしたわけじゃない!」
しかし警備隊たちは、これで引き下がるような任務を担ってはいなかった。
二名が素早くハルパロスの両側に走り、一名が背後に立った。
そして、この小隊の隊長が、厳しく言い渡したのだ。
「処罰が決定するまで、ハルパロス殿下の身柄を拘束します」
「何だって!? 私は、テミスアーリン王国の第一王子だぞ!」
「当方が用意しましたお部屋で、しばらく謹慎ねがいます」
ハルパロスが反論する前に、両サイドの隊員が、彼の腕をしっかりと掴んだ。
「殿下。お諦めください」
重々しい隊長の声に、ハルパロスはうなだれた。
そして、アルネの部屋から独房へと連行されていった。
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