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「エディン……様……?」 「あ、アルネ? 解るか、アルネ。私だ!」 「えっ? あれ? 僕は、ハルパロス殿下と、お話ししていたはず、なの、に……?」 「アルネ……!」  良かった!  アルネの心は、ちゃんとここへ。 「私の元へ、還って来てくれたんだな!」  エディンは喜びのあまり、アルネを抱きしめた。  そして、もう一度キスを贈った。 (アルネ……愛している……) (エディン様……)  まるで祝福の光に包まれたかのような、二人だ。  周囲はその姿に、心を打たれた。  涙する者、拍手する者。  隣同士で、手を取り合う者。  感動のさざ波が、部屋いっぱいに広がっていた。

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