284 / 372
4
「エディン……様……?」
「あ、アルネ? 解るか、アルネ。私だ!」
「えっ? あれ? 僕は、ハルパロス殿下と、お話ししていたはず、なの、に……?」
「アルネ……!」
良かった!
アルネの心は、ちゃんとここへ。
「私の元へ、還って来てくれたんだな!」
エディンは喜びのあまり、アルネを抱きしめた。
そして、もう一度キスを贈った。
(アルネ……愛している……)
(エディン様……)
まるで祝福の光に包まれたかのような、二人だ。
周囲はその姿に、心を打たれた。
涙する者、拍手する者。
隣同士で、手を取り合う者。
感動のさざ波が、部屋いっぱいに広がっていた。
ともだちにシェアしよう!

