288 / 372
3
エディンがお見舞いに持ってきた果実は、確かに美味しいが、やたら果汁が多かった。
「手も口元も、濡れてしまったな」
「そのままにしておくと、痒くなる人もいますよ」
「それは御免だ。タオルはあるか?」
「僕、拭いてあげます」
アルネはベッドサイドの引き出しから、清潔なタオルを出した。
そして、それでエディンの顔を拭くと見せかけて、優しくキスをした。
可愛い舌を伸ばし、エディンの口元の果汁を舐めとる、アルネだ。
「こッ、これは……嬉しい驚き、だ……」
「喋らないで。そのまま、じっとしていて」
すぐにエディンも舌を伸ばし、アルネの口元を舐め始めた。
甘酸っぱいのは、果汁のせいだけではないだろう。
エディンがこれまで経験したことのない、爽やかな官能が、そこにはあった。
ともだちにシェアしよう!

