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「あっ! これはまた、仲の良いことだねぇ!」
二人だけの甘い世界に、突然オアニアが乱入して来た。
「も、もう! ノックは、ちゃんとしてください!」
慌ててエディンから離れたアルネに、オアニアは一つの大きな目で、ニィッと笑った。
「ノック、したよぉ。何度も! 聞こえないほど、甘々だったんだねぇ?」
恥じらいに、真っ赤になってしまったアルネに、オアニアはカルテをひらひらさせた。
「邪魔しちゃったお詫びに、良いニュースをあげる。アルネ様は、明日退院できるよ!」
「ホントですか!?」
「長い間、お疲れ様。もう、大丈夫だから」
エディンと共に喜ぶアルネだが、オアニアの話はそれだけではなかった。
「もうひとつ、悪いニュースもあるんだけど……日を改めた方がいいかな?」
「えっ?」
「悪いニュース、というか。アルネ様を悩ませる、内容。政治的に、ね」
それを聞き、アルネは表情を引き締めた。
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