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アルネの反対に、その場の半数は驚き、半数は期待した。
仮王は病床に就き、その母であるアミエラは看病で手が離せない。
先王の正妻・カテリーナとその第一王子・ハルパロスは罪人と成り果てた。
この国で今、為政を行える王族は、アルネただ一人。
彼の言葉に驚いた人間たちは、すぐに冷やかさと疑念を抱いた。
まだ少年の、この王子に。
一体、どれほどの裁きが行えるというのか。
死罪を覆す理由と、それ以上の名案はあるのか?
しかし、アルネに期待する者たちは、忘れてはいなかった。
クーデター戦犯たちの公開処刑を、圧倒的なカリスマで止めさせた器量を。
そして彼らの償いを、実に生産的な形で実行したことを。
今度もまた、何かお考えがあられるに違いない。
素晴らしい裁量で、この場を収めてくださるに違いない。
相反する思いが混ざり合う中、アルネは口を開いた。
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