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 甘い香りのする、アルネの白い首元。  そこへキスを贈っていたエディンだったが、再び奇妙な情欲を覚えた。  胸の奥底から湧いてくる、本能の疼きだった。 「アルネ……」  そしてエディンは、アルネの首をそっと噛んだのだ。  軽く歯を立て、その弾力を味わった後、そろそろと顔を離した。 「……私は、何をやってるんだ?」  自分自身にも解らない、不思議な愛情表現だ。 「傷など、付いていないだろうな?」  目を近づけて見たが、アルネの肌に歯型などは無い。  良かった、と胸をなでおろし、エディンは眠り続ける愛しい人に、そっと声を掛けた。 「アルネ、風邪をひくぞ?」  だが、起きる様子は無い。  エディンは、彼をひょいと抱き上げた。  そしてそのまま背に負うと、アルネの部屋へと連れて行った。

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