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アルネの部屋の前には、警備の人間が数名立っていた。
「これは、竜将閣下」
「アルネ様は、お休みなのですか?」
「御足労、ありがとうございます」
うん、とエディンはアルネを背負ったままうなずくと、警備兵に声を掛けた。
「起こしたくないんだ。扉を、開けてくれるか?」
かしこまりました、と彼らはすぐに、両開きの重厚なドアを開けた。
星のきらめきが彫り込まれた、美麗な扉だ。
エディンはアルネを起こさないよう、静かにそこを通った。
室内には侍従たちの他、医師やオアニアが待っていた。
「アルネ殿下は、眠っておいでだ。このまま寝室へお連れしたい」
「かしこまりました。どうぞ、こちらへ」
侍従の案内で、エディンはアルネを寝室へと運んだ。
そして、ようやく彼をベッドへ横たえることができた。
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