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「見ろ! 君たちが大騒ぎするから、アルネが目覚めてしまった!」
「フェリックス殿下の声だって、たいがい大きかったよ!?」
「ともかく、説明を!」
エディンは、苦し紛れにアルネの方へ視線をやった。
彼は、不安げに掛布を握りしめ、鼻まで上げている。
「何があったのですか……?」
その姿に、細い声に、エディンは思いきってアルネに告白しようと心に決めた。
(前々から考えていたことだ。それを今、この場で言うのだ。それだけだ)
たやすいことだ、と自分自身に言い聞かせ、エディンは改まってアルネと向き合った。
「結論から言おう」
「はい」
「……」
「エディン様?」
凛々しく切り出したエディンだったが、その結論とやらが、なかなか出てこない。
首まで赤くして汗をかき、唇をムズムズさせているのだ。
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