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口火の切れないエディンは、ついには瞼を閉じてしまった。
焦れたオアニアが口を開きかけたが、それは医師に止められた。
「ここは、フェリックス殿下にお任せしましょう」
人生経験の豊富な彼は、エディンが何を言おうとしているか、勘付いていた。
それは、とても大切な言葉なのだと、気付いていた。
そしてエディンは再び目を開き、アルネに向けて静かに語り掛けた。
「アルネ」
「はい」
「フェリックス・エディン・ラヴィゲールは、あなたに求婚する」
「えっ?」
「私と、結婚して欲しい」
「……!?」
突然のプロポーズにアルネは驚き、今度は彼が言葉を失ってしまった。
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